歯がない期間を短く!抜歯即時埋入・即時荷重インプラントとは
歯を抜く必要があるといわれたとき、「歯がない期間があるのでは」「見た目が気になる」と不安に感じる患者さまは少なくありません。
特に前歯やよく見える部分の場合、治療中の見た目や会話への影響が心配になる方もいらっしゃいます。
一般的なインプラント治療では、歯を抜いてから骨や歯ぐきが治るまで数ヵ月待ち、それからインプラント体を顎の骨に埋め込み、さらに定着を待ってから人工歯を装着します。
しかし、お口や骨の状態によっては、抜歯をしたその日にインプラント体を埋め込み(抜歯即時埋入)、さらに仮歯まで入れられる(即時荷重)場合があります。
歯がない期間をできるだけ短くし、手術の回数も減らしたい方にとって、抜歯即時埋入・即時荷重は生活の不便を抑えやすい有効な治療方法の一つです。
今回は、この抜歯即時埋入・即時荷重インプラントについて、わかりやすくご紹介いたします。
抜歯即時埋入・即時荷重とは?
「抜歯即時埋入」とは、歯を抜いたその日に、同じタイミングでインプラント体を埋め込む方法です。
さらに、インプラント体を埋め込んだ直後に仮歯を装着する方法を「即時荷重」といいます。
通常のインプラント治療と比べると、以下のような流れの違いがあります。
●一般的な治療
抜歯 →(数ヵ月待つ)→ インプラント埋入手術 →(数ヵ月待つ)→ 頭出しの手術・仮歯装着
●抜歯即時埋入・即時荷重
抜歯 + インプラント埋入手術 + 仮歯装着を「1日」で行う
このように、抜歯から仮歯までのプロセスを1回に凝縮してスムーズに進められる可能性があるため、治療中の見た目や噛みにくさをできるだけ抑えたい患者さまにとって、大きなメリットがあります。
ただし、すべての方に行えるわけではなく、精密な検査と慎重な診断が必要です。
抜歯即時埋入・即時荷重のメリット
抜歯即時埋入・即時荷重の大きな特徴は、治療期間中や手術自体の負担、そして日常生活への影響を軽減しやすいことです。
歯がない期間をなくせる
歯を抜いたあとに歯がない状態が続くと、見た目が気になったり、人前で話しにくくなったりすることがあります。
抜歯即時埋入・即時荷重では、条件が整えば抜歯当日に仮歯が入るため、お帰りの際にも見た目の違和感がほとんどありません。
仕事や人との会話が多い方にとって、歯がない期間をなくせることは大きな安心につながります。
治療期間や手術回数の負担を抑えられる
通常の治療法では「抜歯」「インプラント埋入」「頭出し」と複数回の手術や処置が必要になりますが、抜歯即時埋入ではこれらを同時に行うため、外科手術の回数を減らすことができます。
また、歯ぐきが治るのを待つ期間を短縮できるため、全体の治療期間も大幅に短縮しやすくなります。
通院回数や手術による身体的・精神的な負担を抑えたい方にとっても、魅力的な選択肢です。
歯ぐきの形を自然に保ちやすい
歯を抜いたあと、長期間そのままにしておくと、周囲の骨や歯ぐきが少しずつ痩せていってしまいます。
歯を抜いてすぐにインプラントと仮歯を入れることで、もともとの歯ぐきの立体的な形を維持しやすくなり、最終的な人工歯を入れたときにもより自然で美しい見た目をめざせます。
抜歯即時埋入・即時荷重ができるかどうかは検査が大切
メリットの多い治療方法ですが、難易度が高いため、誰でも受けられるわけではありません。
安全に行うためには、精密な事前の検査が不可欠です。
顎の骨の量と「質」を確認する
手術当日にインプラントを埋めて仮歯を支えるためには、インプラント体が骨にしっかりと初期固定(がっちりと食い込むこと)される必要があります。
そのため、十分な骨の量や厚みだけでなく、骨の硬さ(骨質)も重要です。
当院では、歯科用CTなどを用いて顎の骨の状態を立体的に確認し、即時埋入・即時荷重が可能かどうかを正確に判断します。
抜く歯の周りの炎症状態が落ち着いているか
歯を抜く原因となった病変(重度の歯周病や、根の先の大きな膿の袋など)によって、周囲の骨が大きく溶けていたり、激しい炎症が残っていたりする場合は、当日の埋入が難しいことがあります。
無理に埋め込むと細菌感染のリスクが高まるため、お口全体の健康を最優先に考え、慎重に診断いたします。
かみ合わせのバランスを確認する
当日に仮歯を入れたあと、そこに強い力がかかりすぎると、骨とインプラント体が結合するのを妨げてしまいます。
そのため、全体の健康なかみ合わせのバランスを確認し、仮歯が他の歯と強く当たりすぎないよう精密に調整することが大切です。
特に歯ぎしりや食いしばりがある方は、事前に生活習慣も含めて確認し、治療後のトラブル予防につなげます。
治療・即時荷重を受けたあとの注意点
当日に仮歯が入ることで生活の不便は軽減されますが、インプラント体が顎の骨と本当に結合するまでには数ヵ月かかります。
それまでは慎重な過ごし方が必要です。
仮歯の部分で強く噛みすぎない
治療直後は、インプラント体が骨と少しずつ馴染んでいく最もデリケートな時期です。
仮歯が入ったからといって、すぐに何でも普段通りに強く噛めるわけではありません。
硬いものを強く噛むことは避け、お食事の内容については担当医の指示に合わせていただく必要があります。
治療中に不安なことがあれば、自己判断せず当院へご相談ください。
お口の中を清潔に保つ
インプラントの周りに汚れ(歯垢)がたまると、歯ぐきに炎症が起こる「インプラント周囲炎」のリスクが高まります。
仮歯の周りも、歯ブラシや清掃補助用具を使って丁寧にケアすることが大切です。
ただし、手術直後は傷口を傷つけないよう、お伝えする正しい磨き方でやさしくケアしていきましょう。
定期的なメンテナンスを継続する
インプラントを長持ちさせるためには、治療後のメンテナンスが非常に重要です。
仮歯の安定性や歯ぐきの治り具合、かみ合わせの変化などを定期的にチェックすることで、トラブルを未然に防ぎます。
治療が終わったあとも、当院でお口全体の健康を末長く見守ってまいります。
よくある質問
Q. 抜歯した日に必ずインプラントを埋めて仮歯を入れられますか?
A. すべての患者さまに行えるわけではありません。
顎の骨の量や質、抜歯する原因となった炎症の程度、かみ合わせなどをCT検査等で確認したうえで、安全に適応できるかを判断します。
Q. 仮歯が入れば、人前で話す仕事もすぐできますか?
A. はい、見た目や発音への影響は最小限に抑えられるため、お仕事や会話への支障は少なくなります。
ただし、手術当日は無理をせず、お体をゆっくり休めていただくことをおすすめします。
Q. 通常のインプラント治療より痛みは強いですか?
A. 手術が1回にまとまるため、トータルの処置回数が減る分、患者さまの負担は軽減されることが多いです。
処置中はしっかりと麻酔を行いますので、痛みを感じることはほとんどありません。
術後の痛みや腫れについても、通常の治療と大きく変わることはありませんのでご安心ください。
まとめ
抜歯即時埋入・即時荷重は、抜歯後の「歯がない期間」をなくし、手術の回数や治療期間といった生活の不便を大きく抑えられる画期的な治療方法です。
一方で、顎の骨の条件やかみ合わせの状態によって適応が分かれるため、信頼性の高い精密な検査と診断が欠かせません。
当院では、患者さまお一人お一人のお口の状態を精密に確認し、決して無理のない安全性を重視したインプラント治療をご提案しています。
抜歯後の見た目が心配な方、歯がない期間をできるだけ短くしたい方は、ぜひ当院にご相談ください。
※インプラント治療は自由診療です。
※外科手術を伴うため、術後に痛みや腫れ、出血、一時的な麻痺などのリスクがあります。
※お口や全身の状態によっては、抜歯即時埋入・即時荷重が適応できない場合があります。
※インプラント周囲炎を防ぎ長く保つため、治療後は定期的なメンテナンスが必要です。
